人知れずそこにある風景

海岸沿いの国道、305号線を、越前海岸を楽しみながらドライブで利用する方は多くいらっしゃるようですが、その多くの方が気づかずに通り過ぎてしまっている、勿体無い風景というのがたくさん存在していることに、住んでみて5ヶ月ほど経ち、地元の方に教えてもらいながらいくつも見つけ、驚いています。

長橋から越廼にかけての道のりだけでも、山に向かって急な坂を入り込む道が何箇所もあり、少し行っただけで、美しい田園風景の向こうに海が見える、という、それはそれは素敵な風景が、実はたくさん目立たずに存在していて、移住者の先輩である志野さんが製塩をやりながら、ここの耕作放棄地の一部を他のお仲間と一緒にお手入れされ、素敵な農園を作られたりしています。

世界的な異常事態で、学校が休校になり、数々の施設もお休み、行き場を失っている子供達ですが。志野さんの農園が、まるで楽園のようで。

木登りにブランコ遊び、枝集めをして焚き火に、美味しそうな草や木の葉を見つけてヤギの餌やり、鶏の卵とり。

こういう場に最初は慣れていなくて、楽しみ方もわからない都会っ子の我が子たちでしたが、すぐに楽しさを体で覚えて、思わず、歓声が出ます。

木登りを楽しいと思わない子はいないみたい。足の裏の、木の枝の感触、さやさやという木の葉ずれの音、いつもより高くなった視界、そこに吹き抜ける心地よい風。幼い頃の記憶は私の中にも強烈に残っています。この子たちが育つ過程で、ここでどんな記憶を作っていくのか。

ここだけでなく、私が住んでいる小丹生町周辺は、子供達が喜ぶことをたくさん提供してくれる場や、人がたくさんいて、こんな事態ですが、とても助けられています。

越前水仙のお話

私がお世話になっているサテライトオフィスのある越廼村の居倉地区は、「越前水仙発祥の地」です。
冬場は越前海岸全域の崖や風景のそこここに水仙ばたけが広がっていて、それはそれはとても綺麗な冬の風景を作ってくれています。雪景色の中の水仙は、この地で育った多くの方達の、冬の心象風景のようです。

潮風を受けて、傾斜の強い崖で育つことで放たれる強く芳しい香りは、越前水仙ならではであり、他の地では味わえない貴重な文化遺産でもあるようです。

けれども水仙の栽培は後継者不足の問題を抱えていて、球根を栽培できる方が年々減り、もしかしたらこの風景も、近い将来維持できなくなる日が来るかもしれないという危機に直面しています。それをなんとかしようと取り組んでいる方達がたくさんいらして、私も少しでもお役に立てないか、と思うばかりです。

そんな水仙を愛する越前地域の大きなイベントとして、こしの水仙の里の水仙まつりが1月の連休に開催されました。越前海岸ならではの、海産物などの特産品をはじめとした、魅力的な出店がたくさん出て、今年はお天気もよかったため、とても賑わいました。遠方からのお客様もたくさん見えていました。

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