
◎ 版画について
版画とは、板状の銅や木などを彫ったり、
何らかの細工を施して版を作り、
インクの転写などによって絵画を制作する技法です。
銅版からは、銅という適度な粘りのある素材の特性より、 独特の繊細な線を、
木版からは、彫刻刀による木の彫り跡によって、 素朴な温かみと、力強さを持つ線を、
描くことができます。
版画は、版を作り、版を刷る、という工程によって、
ペンや筆では描けない表現ができます。

◎ 版画作品を、より身近に
版画作品や絵画作品は、
それなりの大きさの額に入れられ、美術館や画廊、
住宅の玄関や居間の壁などに飾られるのが普通です。
私たちは最初に、美術館や画廊の代わりに、
人々の胸元に作品を飾ってもらおうと、
極端に小さな銅版画を作りました。
これが、私たちの最初の制作です。
私たちは、版画作品を日々の暮らしの傍らに
そっと置いて欲しいと願います。
そして、その小さな舞台の一つ一つに、
終わらない物語を紡いでいきたいとおもっています。


◎ 日々の暮らしに優しく響く
私たちは「生活」と「仕事」を
なるべく隔てないように心掛けます。
暮らしの中から作品が生まれ、
作品の中に暮らしの喜びがあります。
どちらも目的でありながら、手段でもあります。
私たちの作品づくりは、私たちが社会や、
自然と、共に在ることを決して忘れません。
私たちの社会に対する存在自体が、
風の音や鳥の声のように、ただ自然として、
優しく佇んでいたいとおもいます。