版画ゆうびん

おさのなおこが綴る越前海岸からの版画の便り

2025.09.23

蔵書票のこと

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長く厳しかった夏がようやっと終わって、虫の声と共に過ごしやすい秋の匂いがしてくると、本を読むひとときがより愛おしく感じられますね。

皆さんは「蔵書票」(EX LIBRIS エクスリブリス)をご存じですか。

持ち主の手元を離れても、名前や家紋などを好きな言葉やシンボルなどと共に描き込まれた紙片を本に貼り付けることで、その本の所有者を示すものとして、海外でも日本でも、本を愛する人たちの間で古くから愛され広まったものです。

版画で作られることも多く、「紙の宝石」とも呼ばれ、蒐集家同士での交換や交流を通じてコレクションされることもあるそうです。ヨーロッパの蚤の市でも、古絵葉書や古道具と共に市場の片隅で売られていたりもします。

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私はそんなに本を読むのが得意ではなくて、優れた読書家ではありませんが、一生かけて読み深めたい本、というのが何冊かあります。それらには、自分で作った蔵書票を貼り付けています。

度々展示会のキュレーションでご縁をいただいた友高室内装飾さんの屋号も「EX LIBRIS」なので、友高さんによる企画の際もその度にいくつか蔵書票の新作を出させていただきました。

この秋も心地良い読書時間到来の嬉しさから、いくつか新しい作品を彫りました。

  • 蔵書票を本に貼る
  • 蔵書票たち

販売サイトiichiの版画ゆうびん舎のサイト内でも少し販売しておりますので、よかったら覗いてみてくださいね。

もしもすでにご愛好されていて、おすすめの貼り方などご紹介くださる方がいたら、ぜひ教えて欲しいです。