版画ゆうびん

おさのなおこが綴る越前海岸からの版画の便り

2025.08.10

青い鳥

青い鳥

青い鳥
からから吹いて
いかぬよう
こわれぬように
いたむのだ

ぼんやりここを
照らすのは
あかくのんだ
ひといきか

戸口をあけて
じっと待つ

宵の星々
駆ける草原(くさはら)
流れるせせらぎ

かたくうごかぬ
くちばしを
かすかに宙(そら)に
さし出せば

みち渡る
まなざしが
胸の在り処(ありか)に
さし込んでくる

皆川 輪 詩集 「木蔭の鳥」より

青い鳥

青いひかり

詩人の魂

離れていても
地中で根っこ同士でつながっている
地球上の木々たち

その木々たちが抱いているもの

そんなものを
描きたくて

大きな 美しい松の木が
枯れ朽ちて姿を消してしまっても

地中に残るもの

地中に残って歌い続ける

木々のたましい

そんなものを
描きたくって

切なる願い
抱えていた時に
詩人が
届けてくれた
うた